2021年3月30・31日
春休み中のこの二日間に実行されたのは、美山の小学生達が「勝手に」企画し、広報し、参加者を集め、大人を巻き込み実現させた「子どもサイクルグリーンツアー」。
サイクルグリーンツアーとはもともと美山町の代表的な自転車イベント「京都美山サイクルグリーンツアー」のことで、美山町中に散りばめられたチェックポイントとエイドステーションを自由に自転車でまわり、美山の食と自然と地域住民とのコミュニケーションを存分に楽しむ、1000名の参加チケットが数分で売り切れる大人気イベントです。
それを「春休みにやってみたい」という雑談から生まれたこの企画。
サイクルグリーンツアーの全チェックポイントをまわるとなると合計125km。
─ 子どもやし一日では無理ちゃうか。
─ そしたら二日間にしたら?
─ それなら一日目はサイクルシーズ(当NPOの活動拠点)に泊まりたい。
─ でも人数多くなったら無理やで。
─ じゃぁテントを張って泊まったらええやん。
─ ご飯とかどうするん?
─ 参加費は?
─ 5・6年で集まって決めてくるわ!
などという会話のあとに出てきたのがこのチラシ。
金額など大人に相談なく決まってしまっています(笑)
しかし、こういう企画に全力で(出しゃばりすぎず)関わってしまうのが我々であり、美山の大人たちです。
昼食時のエイドステーションは飲食業の保護者達がこれでもかという食事を用意し、サイクリングの伴走は自転車競技部で有名な地元の北桑田高校の生徒たち。(かつてウィーラースクールに来ていた子たちでもあります)
宿泊用テントも保護者たちから驚くほど潤沢に集まりました。
スタート時は本物のイベントと同じくバルーンゲートを立て、本物と同じだけのチェックポイントを二日間にわけて走りきった子どもたち。
小学1年生から中学生までの混走の中で、上の子は下の子をサポートしながらの走行です。
もちろんトラブルも数多く発生しました。
特にテント泊はカオスでしたし、失敗も多くありました。(保護者はテント泊には付き合いません)
しかしそれも彼らの大切な経験となり蓄積されています。
そして地元の大人ですら、美山町の全体を実際に見ている人は少ない中、彼らは自分の足で自転車を漕ぎ、自分の目で自分の町を隅々まで見て知っているのです。
同じ美山町でも賑わっている集落、綺麗に管理されている集落、荒れている集落、住民が少ない集落、様々です。
それらを見て、彼らなりに思うところがあるようです。
そして自分達で企画したこの企画は都会ではなく、田舎だからこそ、自分たちの町「美山町」だからこそできる背景もおぼろげに感じています。
しかし彼らの次なる目標は「夏休みにビワイチ(琵琶湖一周)をする!」です。
美山町とは違う環境でどうやって実現させるか、考えなければならない要素は沢山あります。
美山町から滋賀県の琵琶湖まで行くにはどうするか?大量の自転車はどうやって運ぶ?の算段も、既に勝手に子どもたちの中で進んでいるようです。(運送業、観光バス業に携わっている保護者を巻き込むそうです)
おそらく夏休みも関われる大人たちは出しゃばりすぎない形で全力で付き合います。
それが大人たちの喜びであり、楽しみでもあります。