デンマークと関わるきっかけ

元々はこの当NPO理事であるブラッキー中島とデンマーク在住の造形作家 高田ケラー有子氏が古くからの知り合いであったことに端を発します。

高田氏は実際にデンマークでの子育てを経験し、その上でデンマークの教育制度や幸福度の高い国民性について広く日本に紹介されています。
その内容は実に興味深く、我々が美山町の「教育環境」や「子どもにとって最高の環境とは何か」を考えた際に、大きなヒントとなりうる事例の宝庫とも言える国でした。
また「幸福度世界一」と言われる理由の数々、人々の価値観や子育ての考え方にとても共感し、それらは我々の理想の一つであると感じました。

その他、デンマークと美山町との共通点が幾つも見つかったことも大きなポイントです。

・かやぶき屋根の建物が多いこと
・自然環境が豊かであること
・自転車の国、町であること
・複式学級の存在
・地域との繋がりが強いこと
・多くの大人が学校と関わっていること など

そこで高田氏の多大なるご協力の元、三度の(ディープすぎる)デンマーク教育視察を行い、その内容を映像にまとめて町内で紹介する機会を持ちました。
それに加え、高田氏には何度も来町いただき、デンマークの教育制度や人々の価値観の講演やシンポジウムなどを開催したことで、町内外の参加者が「子どもを取り巻く環境」や「自分が住む町」、そして「真の豊かさとは何か」などを考える大きなきっかけとなりました。
また高田氏がデンマークの学校や様々な機関との橋渡しをしてくださったお陰で、実際の交流も生まれています。

ただし、目的は「デンマークの真似」ではありません。

デンマークの事例を参考に、ここ美山町で美山町ならではの「子どもたちに最高の環境」は何かを模索し実践していくことが目的です。
またこの小さな田舎町の「美山町」が、デンマークと強い繋がりを持っていることの価値や可能性を最大限に活かしていきたいと感じています。

2017年は実際に子どもたちに直接、デンマークとの交流を持ってもらうことに成功しました。
美山町の中学生とデンマークはヘルシンゲという町の小学生がスカイプを通して英語で交流。
小学生には来日していたデンマーク人作家カーステン・ダール氏によるアートワークショップを実施。

2018年は夏にヘルシンゲ副市長夫妻の来町、秋にはヘルシンゲの国民学校の教職員の方々5名と在日デンマーク大使夫妻をお招きし、美山町内の子どもを含む複数の家族との農業体験、そして前年に引き続きのスカイプでの英語交流などを実施し、着実に双方の交流は深まっています。

そしてついに2019年には、美山中学1年生の女子3名がヘルシンゲの学校へ1週間のプチ留学を行いました。
これをきっかけに、「次は私が!僕が!」と、留学に意欲を燃やす子どもたちが増えています。

小さな田舎町に住んでいても、世界に窓が開いていること。

既に美山町の子どもたちはこれを実感しています。
こうしたリアルな交流を通し、子どもたちには多様な可能性を感じてほしい。
それは美山町の子どもたちに限らず、この交流を通してデンマークの子どもたちにも感じてほしい事柄であり、それ以外の多くの地域にも広げていく必要があると考えています。


フレディ・スヴェイネ氏の存在


またデンマークとの繋がりで大きな存在となっているのが駐日デンマーク大使であったフレディ・スヴェイネ氏です。(2021年現在 在インド デンマーク大使)
当時は単なる住民グループであった我々の要請にも関わらず合計四度も来町いただき、様々なイベントに気軽に参加くださるなど、当プロジェクトに多大な貢献をしていただきました。

とても気さくなお人柄で、彼こそがデンマーク人の国民性を体現しているといっても過言ではないと感じます。
来町時は多くの子どもたちや町民と触れ合い、様々なイベントを心から楽しみ、美山町とデンマークの繋がりをより強固なものにしてくださいました。
そして在インド大使となられた現在でも我々との交流は続いており、インターネット交流などで今なお参加いただいています。

彼と触れ合った多くの子どもたちは彼がどういった方なのか、よくはわからずとも、そして言葉は通じなくとも自然と懐いていて、その光景はいつも素晴らしいものになっています。

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